変形性膝関節症は、高齢者の多くが直面するよくある膝の痛みです。
65歳以上の半数以上が変形性膝関節症の症状があると言われている程…
膝の痛みや運動制限を引き起こし、歩きにくさからやりたい事をやる気持ちまで奪う…
日常生活に、そして精神的にも大きな影響を及ぼすことがあります。
この記事では、変形性膝関節症について基本的な知識をわかりやすくお伝えします。
変形性膝関節症とは?
変形性膝関節症は、膝の関節軟骨が摩耗し、炎症を引き起こす疾患です。
関節軟骨は、骨同士の摩擦を和らげ、スムーズな動きを可能にします。
しかし、加齢や関節への過度な負担、関節の怪我などによって、この軟骨が摩耗し、炎症を起こすことがあります。
変形性膝関節症は「進行性」の疾患です!
長年の摩擦が蓄積し、骨がどんどん変形して元に戻らない状態になります。
O脚が酷くなった高齢者を見かけることありますよね?
足の骨がまっすぐ伸びなくなれば、身体の重さを支える点が膝に集中します。
また地面から返ってくる力(床反力)もまっすぐ身体に伝えることができず、歩くスピードは落ちます。
症状と原因
変形性膝関節症の症状には、膝の痛み、こわばり、腫れ、熱感、運動時の痛みや不安定感、朝の膝の硬さなどが含まれます。
初期の患者さんは、「1歩目が痛い」とか「動き始めは痛いけど、動いていたら痛く無くなる」と仰られることが多いです。
いつも痛いわけじゃないので、我慢してしまい、症状を悪化させてから受診するケースがとても多いです。
症状が進行し、痛み酷くなっていくので患者さんの生活の質を大きく低下させていきます。
主な原因は加齢に伴う軟骨の摩耗、肥満や過度な運動、運動不足による筋力低下など。
そして足の過回内が挙げられます。
足の過回内とは踵の骨が内側に倒れている状態のことです。
足の骨アライメントが崩れていると、膝に大きな負担がかかります。
膝に痛みのある方は特に自分の足に合っていない、大きいサイズの靴を履いていることがあります。
診断と検査
変形性膝関節症の診断には、レントゲン、MRI、CTスキャンなどの画像検査が多く用いられます。
変形の進行具合や症状で診断されます。
治療法
変形性膝関節症の治療法は、症状の程度に応じて異なります。
軽度の症状では、適度な運動、体重管理、関節の保護が重視されます。
物理療法や理学療法、薬物療法(非ステロイド性抗炎症薬や痛み止め)
注射療法(ヒアルロン酸注射やステロイド注射)などで症状の緩和が図られます。
注射は症状の緩和が目的であり、根本的に治るわけではありません。
重度の症状では関節置換手術(人工膝関節手術)が選択されることがあります。
当院では足の過回内を改善させる”矯正用インソール”=フォームソティックス・メディカルを推奨しています。
また、自分の足のサイズに合っていない、大きな靴を履いているケースが多いので、靴のサイズをきちんと合わせることで痛みが軽減することがよくあります。
予防と健康寿命
変形性膝関節症はまず予防することが重要です。
そのためには、適切な運動と怪我の予防、膝の怪我を負った際、きちんと治療をしておくことです。
関節への過度な負担をかけないようにするため、姿勢不良にならない生活を心がけましょう
運動をして足の筋肉を減らさないようにし、身体全体が使えるようストレッチなどを行なって関節の可動域を広げる・維持することも大切です。
40代に入ると筋肉は減少していきます。特に下半身の筋力低下が顕著です。
気付かぬうちに、片足で身体を支えられない程、筋力低下していることも。
歩く力は健康寿命に直結します。
早々と介護が必要な人生にならないために。
症状の緩和・予防どちらも運動を継続して行うことが重要です!
まとめ
変形性膝関節症は多くの人々が直面する問題です!
- 早期から適切な治療
- 予防が重要です。
定期的な運動・健康的な生活習慣をすることで、パーツ交換のできない人間の大事な関節を守ることができます。
特に40代からは下半身の筋力が低下していくので、40代からは運動習慣を身につけておくことが不可欠です!