成長期の足を守る「新学期に備えて準備すべき、子どもの靴」について解説
新学期は靴を見直すタイミング
新学期は、子どもの靴を見直すとても良いタイミングです。
ランドセルや文房具を新しくするご家庭は多いと思いますが、毎日、長く使う「靴」こそ見直してほしいものです。
特に幼児から小学生の時期は、足の成長が非常に早い時期です。
文部科学省の学校保健統計調査などでも示されているように、子どもの身体は小学校低学年まで急速に成長しますが、足の骨の発達はさらに特徴的です。
人間の足は、片足で28個の骨、関節、靱帯、筋肉から構成される非常に複雑な構造をしています。
しかし幼児期の足はまだ完全な骨ではなく、多くが軟骨の状態です。足のアーチ(土踏まず)も未完成で、成長とともに徐々に形成されていきます。
このため、子どもの足は大人よりも靴の影響を強く受けやすいという特徴があります。
さらに、子どもの足のサイズは想像以上のスピードで変化します。
半年以上同じ靴を履いている場合、すでにサイズが合っていない可能性も珍しくありません。
サイズが合っていない靴を履き続けると…
- 足の指が十分に使えない
- 歩き方が不安定になる
- 転びやすくなる
- 足のアーチが作られない
- 姿勢の崩れ
- 膝や足の痛み
接骨院で多くの子どもの足を見ていますが、靴が原因で引き起こされる症状は少なくありません。
もちろん、靴だけが原因ではありませんが、毎日何時間も履くものだからこそ、足の発達に与える影響は大きいのです。
ここで大切なのは、定期的に靴を見直す習慣をつくることです。
そのタイミングとして新学期前はおすすめです。
新学期は生活の節目になります。
- 学年が変わる
- 通学距離や活動量が変わる
- 体育の授業や外遊びの量が増える
こうした変化に合わせて、靴を見直すことで、子どもの足をより良い環境で成長させることができます。
また、新学期のタイミングで靴を確認すると、次のようなポイントもチェックできます。
- サイズが合っているか
- かかとが潰れていないか
- 靴底が偏ってすり減っていないか
- マジックテープやゴムが伸びていないか
もしこれらに当てはまる場合は、靴を買い替えるサインかもしれません。
特に見落とされやすいのが、上履き(室内履き)です。
外履きは買い替えても、上履きはそのままというケースも少なくありません。
しかし、学校生活では1日の半分以上を上履きで過ごすことになります。
つまり、足への影響は外履き以上に大きい可能性もあるのです。
上履きが足の発達に与える影響
ペラペラ・踵が潰れる上履きによる問題
学校生活の中で、子どもたちは想像以上に長い時間を上履きで過ごしています。一般的な小学校では、登校してから下校するまでの約6時間のほとんどを上履きで生活します。体育館での活動や屋外活動を除けば、一日の大半履いている靴が上履きなのです。
そのため、上履きの構造は足の発達や歩き方に大きく影響します。しかし実際には、上履きは外靴と違い、柔らかいゴム製のものがほとんどです。非常に薄く柔らかい構造で、踵が潰れやすく、スポッと履ける(脱げる)ものが多く使われています。
人間の足は歩行時に踵から接地する「ヒールストライク」という動きをします。
踵接地 → 足裏中央 → つま先へと重心を移動して蹴り出す
このとき、踵の骨(踵骨)は体重を最初に受け止める重要な役割を担っています。そのため靴には、踵を安定させるためのヒールカウンター(踵を支える部分)が必要になります。
ところが多くの上履きは、踵部分が非常に柔らかく、簡単に潰れてしまいます。さらに子どもが履くときに踵を踏んでしまい、そのまま癖になるケースも少なくありません。
踵が潰れた状態の靴では問題が生じます。
まず、踵の安定性が失われることです。
踵が安定しない靴では、歩行時に足が靴の中で左右に動きやすくなります。これにより足のアーチ構造が安定せず、結果として足の筋肉に余分な負担がかかります。
特に幼児から小学校低学年の時期は、土踏まず(内側縦アーチ)が形成されていく時期です。
足のアーチは衝撃を吸収し、推進力に変える大事な機能です。
また、サイズの合っていない靴や、踵が潰れた靴では足が前滑りしやすくなるという問題もあります。足が前に滑ると、無意識のうちに足指で靴を掴むような状態になります。これでは地面をしっかりと蹴れず、ペタペタとした歩き方になってしまいます。
上履きは毎日長時間履くものだからこそ、影響は無視できません。
本来、子どもの靴には次のような条件が望ましいとされています。
- 踵がしっかりしている
- 足が靴の中で動かない
- 足指が自由に動く
- 衝撃を吸収できる
こうした条件を満たすことで、足の筋肉が自然に働き、正しい歩行パターンが育ちます。
上履きは「学校で履くだけの靴」と思われがちですが、実際には子どもの足の発達環境の一部です。
だからこそ、ペラペラで踵が潰れるような上履きではなく、足を安定させる構造のものを選ぶことがとても大切になります。
「すぐ大きくなるから」と大きめの上履きを履かせると…
保護者の方からよく聞く言葉があります。「すぐ足が大きくなるから、大きめを買いました」
これは…わかります!わかりますとも!…とても自然な考えです。
子どもの靴はすぐにサイズアウトしてしまうため、少し大きめの靴を選びたくなる気持ちはとてもよくわかります。
しかし、大きすぎる靴は足の発達にとって良いとは言えません。
靴が大きすぎると、歩行時に足が靴の中で動いてしまいます。
大きすぎるが故に、足が前に滑りつま先が靴に当たると「靴が小さい!」と言う子どもも…
大きすぎる靴では踵が固定されません。
靴のフィット感において最も重要なのはつま先ではなく、踵の固定です。踵が固定されることで足全体の動きが安定し、歩行がスムーズになります。
しかし靴が大きすぎると、踵が浮きやすくなります。
踵が浮くと、歩くたびに足が靴の中で前後に動き、歩行効率が低下します。
靴のフィット感が悪いと、無駄にエネルギー消費を増加させます。歩くだけで余計に疲れる状態になるのです。
「長く履けるように大きめを買う」という考え方は、経済的には合理的かもしれません。
しかし足の発達という視点で見ると、長期間、足に合っていない靴を履くことになります。
子どもの足は、大人よりもずっと柔らかく、環境の影響を受けやすいものです。
だからこそ、“少し大きめ”ではなく“今ちょうど良い靴”を選ぶことが、健やかな足の発達につながります。
靴は消耗品である
当然ですが、靴は消耗品です。
汚れて何度も洗うと生地やマジックテープなどは痛みます。靴自体も変形したり摩耗していきます。
見た目が綺麗でも経年劣化して、加水分解したり…
大きめを買って、ボロボロになった時はサイズはキツキツなのでしょうか?
靴の機能低下を起こす前にサイズアウトで交換していく方がおすすめです。ちょっと勿体無いぐらいがちょうど良いと思います。
子どもの将来、運動能力の育成・足のトラブル回避のために靴選びをしてほしいと思います。
おすすめの靴
外靴
上履き
新学期の準備は「靴」から
子どもたちは学校生活の中で、想像以上に長い時間を靴で過ごしています。通学の外履きはもちろん、校内では上履きを履き続けます。つまり、足は1日の大半を靴の中で過ごしていると言っても過言ではありません。
- ペラペラで踵が潰れる靴
- 足が靴の中で動く柔らかい靴
- 大きすぎるサイズ間違いの靴
こうした靴は、歩き方や足の使い方に影響を与える可能性があります。
逆に言えば、足に合った靴を履くことは、子どもの身体の発達を支えることにもつながります。
そして靴選びで最も重要なのは、「足のサイズに合っているかどうか」 です。
- 足長(長さ)
- 足幅
- 甲の高さ
縦の長さだけではないことに注意です。「なんとなくこのサイズかな」と選んでしまうと、実は合っていないことも少なくありません。
新学期は、靴を見直すとても良いタイミングです。
もしこれから新しい靴や上履きを準備するなら、まずはお子さんの足のサイズをしっかり確認することをおすすめします。そして機能性の高い靴を選んで下さい。
「どんな靴を選べばいいのか分からない」
「サイズが合っているのか不安」
「上履きってどれを選べばいいの?」
お困りであれば、ぜひ一度ご相談下さい。
足は一生使う身体の土台です。新学期の準備をするとき、ぜひ「靴」も見直してみてください。もしかすると、今履いている靴が少し合っていないかもしれません。
そして、足に合った靴に変えるだけで、子どもの動きや姿勢が変わることもあります。
新学期の準備は、靴から。お子さんの足に合った靴選びを、ぜひ大切にしてあげてください。

