ジョーンズ骨折は、足の第5中足骨の骨折で、ランニングやジャンプ、切り返しの多いサッカーなどの球技に多いスポーツ障害です。
ここしばらく、高校生のサッカー選手に関わっていますが、サッカーは下半身の怪我が本当に多いです。
この記事ではスポーツに携わっていると、ときどき見かけるジョーンズ骨折についてわかりやすくお伝えします。
ジョーンズ骨折とは?
ジョーンズ骨折とは、足の小指(第5中足骨)付け根(第5中足骨基底部)に発生する骨折のことです。
この部分は、足のアーチを支える重要な役割を果たしており、足の外側に力が加わると骨折しやすい構造になっています。
ジョーンズ骨折は、一般的な骨折とは異なり、骨折部分の血流が悪く、骨癒合が遅れやすい難治性の骨折として知られています。
そのため、治療には長期間の安静や手術が必要になることが多く、スポーツ選手にとっては大きな悩みの種となります。
ジョーンズ骨折の原因は?
スポーツによる過度な負荷
ジョーンズ骨折は、サッカー、バスケットボール、ラグビーなど横の動きを繰り返して行うスポーツの競技選手によく発生します。
これらのスポーツでは、足の外側に大きな力がかかる動作が多く、第5中足骨に繰り返しのストレスが加わります。
特に、ジャンプやダッシュなどの爆発的な動きや、急な方向転換やブレーキなどの切り返し動作が危険です。
また、運動量の急激な増加や、疲労や筋力低下によるフォームの崩れも骨折のリスクを高めます。
足の形やアライメントの異常
足の形やアライメントには個人差がありますが、中には骨折しやすい形や向きになっている人もいます。
例えば、足のアーチが高い人や、足の外側に体重がかかりやすい人は、第5中足骨に過剰な負荷がかかりやすくなります。
また、足首や膝、股関節などの関節の可動域や柔軟性が低い人も、足の衝撃吸収能力が低下し、骨折のリスクが高くなります。
靴や地面の影響
ジョーンズ骨折は、靴や地面の状態にも影響されます。
靴は、足の形やサイズに合ったものを選ぶことが大切です。
靴が大きすぎると、靴の中で足が滑ってしまい、安定性が悪くなります。
安定性が悪いと足の衝撃吸収能力が低下し、骨折のリスクが高くなります。
地面については、人工芝やコンクリートなどの硬い地面よりも、芝生や土などの柔らかい地面の方が、足の衝撃を和らげてくれます。
ジョーンズ骨折の症状
ジョーンズ骨折の症状は、足の甲の外側を指で押した際、その箇所に強い痛みを感じることがあります。
痛みは運動中や運動後に出ることが多く、歩行や走行に支障をきたすことがあります。
痛みの程度は個人差がありますが、徐々に激しい痛みになることがあります。
初期段階では腫れや内出血などが起こりにくく、パッと見でジョーンズ骨折だと判断するのが難しいケースもあります。
ジョーンズ骨折の治療法
ジョーンズ骨折の治療法は、保存療法と手術療法があります。
保存療法
ギプスやテーピング、足底板などが用いられます。
保存療法の期間は個人差がありますが、約6~12週間とされ、負荷をかけないように注意する必要があります。
血流が悪く、難治性の骨折と言われているため、競技復帰は長期にかかる場合があります。
骨折部分の腫れや痛みが引いても、すぐに運動を再開するのは危険です。
骨癒合が十分に進んでいないのに負荷をかけると癒合が不十分のまま止まってしまう可能性があります。
手術療法
手術療法は、骨折部分に金属のピンやネジなどを挿入して固定する方法です。
ジョーンズ骨折の予防法
- 身体の使い方
- 足の外側ばかりに負荷がかかる不良動作を改善する。
- 膝が内側に入る動作(knee-in、toe-out)をトレーニングで改善しておく。
- 適切なウォーミングアップとクーリングダウン
- 足首・膝・股関節の可動域や柔軟性を高める。
- 適切な靴の選択と交換
- 靴は、足の形やサイズに合ったものを選ぶことが大切です。
- 使用頻度や状態に応じて定期的に交換することが必要です。
- 靴が摩耗すると、足の安定性やクッション性が低下し、骨折のリスクが高くなります。
- インソール
- 足の横ブレが生じると骨折が起きやすくなります。
- インソールで外側へのブレを抑え、骨アライメントを正常に保ちます。
当院では矯正用インソール「フォームソティックス・メディカル」を取り扱っています。
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- 適切な運動量と休養
- 運動量は、自分の体力やコンディションに合わせて調整することが大切です。
- 運動量が過度に多い・急激に増えると、足に適応する時間がなく、骨折のリスクが高くなります。
- 運動量を増やす場合は、徐々に段階的に行うことが必要です。
- また、十分な休養をとることが重要です。疲労や筋力低下が蓄積し、骨折のリスクが高くなります。
ご質問やご相談はいつでもお受けしております。