下肢静脈瘤をご存知でしょうか?
下肢静脈瘤は中高年に差し掛かると半数以上の人にあると言われ、特に女性に多く、見た目が良くないため美容的に問題となりやすい…
足の静脈にできるコブのことです!
この記事では、下肢静脈瘤について基本的な知識をわかりやすくお伝えします。
下肢静脈瘤とは?
下肢静脈瘤は、静脈の血液が正常に流れずに逆流し、静脈が拡張する状態を指します。
この状態は通常、足の静脈で発生し、静脈が表皮の下で膨らんで見えることが特徴です。
下肢静脈瘤とは足の静脈の弁が壊れて血管が膨れ、コブのようになる病気です
コブが出来たからと言って、即座に命に関わるようなことはありませんが、自然に治るものではなく、見た目が良くないので美容上とても問題になります
人の血管は大きくわけて3種類あります!
- 「動脈」は心臓のポンプ機能で血液を送り出します!脈打ってるのは動脈
- 「毛細血管」は栄養素や酸素、いらない老廃物や二酸化炭素の交換をします!
- 「静脈」は動脈から送り出され、毛細血管で交換をした後、心臓へ血液を戻します
「静脈」には「動脈」と違ってポンプの機能がありません
しかも重力がかかり血液は下の方に溜まります
ポンプの機能がないので、血液を心臓へ送り返す力がありません
ではどうやって心臓へ血液が戻るのでしょうか?
動脈の動きや筋肉が動くことで静脈に圧力がかかり、血液が戻されます
また、血液が逆流しないように「静脈」には「弁」がついています
それらによって、血液は下から上に向かって流れていきます!
特に足の皮下を流れる表在静脈の弁が壊れ、血管が膨れるとコブが見えるようになります!
これが下肢静脈瘤です!
静脈の弁が壊れて血液の流れが悪くなると、身体は新たに弱々しい静脈を作ります!
細くてたくさん出来た静脈の線が浮き出ている方は要注意です!
下肢静脈瘤の症状
足がむくむ・足がだるい…が発症のサインと言われ、ほとんどがふくらはぎに起こります。
- 静脈の膨張(静脈が膨張してクネクネと血管が肌の表面に浮き出て見える。)
- 足が疲れやすさ
- 痛みやひりひり感(足やふくらはぎに痛みやひりひり感)
- かゆみや灼熱感、湿疹
- 足がよくつる(こむら返り)
- 浮腫み(足や足首がむくむことがある。)
下肢静脈瘤の原因
- 遺伝( 静脈の弁が弱い、静脈瘤のリスクが高い等)
- 長時間の立ち仕事
- 妊娠(妊娠中に子宮が拡大し、静脈に圧力がかかり、静脈の弁が損傷されやすくなる。)
- 加齢(年齢とともに静脈の弁が劣化しやすくなる。)
下肢静脈瘤の診断
下肢静脈瘤の診断は、主に臨床症状や身体検査に基づいて行われます。
静脈の膨張や炎症を観察します。
超音波検査(Doppler超音波)を行い、血液が逆流していないか等を評価します。
MRIやCTが用いられることもあります。
下肢静脈瘤の治療法
下肢静脈瘤の治療法は、症状の重症度や患者の状態に応じて選択されます:
- 圧迫療法(弾性ストッキングや圧迫バンテージを使用して、静脈の圧力を軽減。静脈の拡張が抑制され、痛みや浮腫みの緩和が期待できます。特に軽度から中等度の症状がある場合に効果的です。)
- レーザー治療や手術(状態がひどい場合、手術となることがあります。心臓血管外科などに相談してみてください)
予防のために必要なこと
立ち仕事を避ける
可能な限り、長時間の立ち仕事を避けましょう!(じっとしている時間を減らしましょう)
足は特に重力がかかり、下に血液が溜まります
静脈は「容量血管」と言って、血液の多くは静脈にあります
負荷をかけると静脈の弁が壊れ、下肢静脈瘤ができやすい状態になります!
肥満も足に負担がかかる原因になります!
圧迫することで血液の逆流を防ぐ
外から適切な圧で圧迫することで血液の逆流を防ぐことができます
医療用弾性ストッキング
むくみ予防のために様々な「着圧・弾性ソックス」が売られていますが、医療用のものをお勧めします!
運動すること
特にふくらはぎを使う、ウォーキングやランニング、階段の昇り降りをすることでしっかり筋肉を使います
ふくらはぎは「第2の心臓」と言われます!
筋肉が動くことで、筋肉に血管が押されて足に溜まった血液を心臓に返すことができます!
血液が溜まらず速やかに心臓に返すことで、血管の弁に負担がかからず、弁を守ることができます!
マッサージ
ふくらはぎを足先側から心臓の方向へマッサージすることで血液を返すことができます!
ふくらはぎのマッサージは血液から余分に出た水分を戻すこともできます!
この余分な水分は【むくみ】の原因なので、運動やマッサージが大事!ということがわかりますね
水分・ミネラルを摂ること
身体から水分やミネラルが減ると血液の粘性が上がってドロドロ血に!
血液の粘性が上がると流れが悪くなり、心臓に戻りにくくなります!
まとめ
年齢と共に、下肢静脈瘤が発生する可能性は上がります。
運動を継続的に行なって、足の筋肉を減らさないようにしましょう!
遺伝による場合もあるとされ、家族に下肢静脈瘤の方がいると可能性は高くなります
女性に多く、妊娠・出産などホルモンバランスの変化などにより発生する場合や肥満など生活習慣による場合もあります
命に関わる病気ではありませんが、外科的な治療が必要な下肢静脈瘤もあるので、症状がある場合は専門医を受診することをお勧めします!